2006年02月27日

こゆるぎ

 「ゆるやかな波の(海岸)」という意味。

 三省堂の『例解 古語辞典 第二版』によると、語源は神奈川県中郡大磯町から国府津(こうづ)にかけての海岸、「こゆるぎ(小淘綾)の浜」だそうです。

「磯(いそ)」に掛かる枕詞で、「磯」と同音の「急ぐ」と掛けるパターンが多いそうです。
 南郷のセリフにも 出て来る「小ゆるぎ」は多分、大磯の「小淘綾(こゆるぎ)の浜」ですね。

koyurugi.jpg
 鎌倉市腰越にも同名の神社があります。漢字で書くと「小動」なんですけどね。こちらの名前の由来は「そこには風もないのに枝や葉が動いて、琴のような音色を奏でる松、通称『小ゆるぎの松』が生えていたことから」と言われています。

 写真右側手前の崖が、鎌倉・腰越にある「小動(こゆるぎ)岬」です。江ノ電の鎌倉高校駅のホームから撮影しました。もう江ノ島にも近いですね。

 何とものどかな名称ですが、こちらは作家・太宰治がカフェーの女中と心中した場所としても有名です。太宰治ファンの方には大変申し訳ないのですが、地元の人にしてみれば、迷惑な話ですね。

※この演目にも登場する「御輿ヶ嶽」や「月影ヶ谷」、「小動」などの地名は、「住所番地」の「地名」の意味ではなく、昔から伝わるその場所(=集落)を指す「通称名」みたいなものです。

[参考文献]


* 『例解古語辞典・第二版』 佐伯梅友・森野宗明・小松英雄 編著・三省堂(1987年)

kabuki3.jpg『季刊雑誌 歌舞伎第三号』松竹株式会社(昭和44年1月)

*カラーブックス『鎌倉文学散歩』株式会社 保育社(平成15年)

*ミニミニガイド文庫6『鎌倉』(昭和59年)

*『かまくら子ども風土記 全4冊』(鎌倉市教育委員会発行/鎌倉市教育研究所編集/平成12年1月31日発行)



posted by fuji_nishi. at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 用語辞典
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