2010年07月12日

一見、地味な役どころ

「浜松屋」の場面では、弁天小僧ben_thum.gif自分の素姓を明かして注目を浴びたり、da_thum.gif謎の武士・玉島逸当に扮する日本駄右衛門との掛け合いに目が行ってしまい、nan_thum.gif南郷力丸が全然目立ちません。

 というよりも、演出でわざと目立たないようにしているのだそうです。

 つまり主人公(この場合は弁天小僧)よりも目立つ演技や、役になりきって変な自己主張(=観客にアピール)をせず、かと言ってボーっとしててもダメで、淡々と南郷(若党・四十八)役をこなすことが、この場面では大事なのだそうです。

 往年の歌舞伎俳優さん曰く、難しい役どころだそうです。

hensou.jpg
  
 南郷の衣装も、若党の時は浅黄の無地に見えて、正体を見顕(みあらわ)した時は、(袴を脱いで)着物の裾をはしょると、急に藍微塵に見えるという仕組みで、同様に髷も、毛束を中心から少し曲げただけで、悪党じみてくるように計算されているのだそうです。
 
 この一見、地味な服装と控えめな態度が、「正体」を顕(あらわ)した時に一転して、悪役としての「凄味」が増すのだそうです。
 
<参考文献>
kabuki3.jpg
『季刊雑誌 歌舞伎第三号』松竹株式会社(昭和44年1月)
posted by fuji_nishi. at 12:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 南郷力丸
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