2006年02月11日

大詰 -極楽寺山門-極楽寺立腹-滑川土橋-(通し)

[主な登場人物]


[盗賊団の花形・五人男]
da_thum.gif盗賊の首領・日本駄右衛門

ben_thum.gif女装の怪盗・弁天小僧

t_thum.gif神出鬼没の盗賊・忠信利平

akaju_thum.gif最年少の盗賊・赤星十三郎

nan_thum.gif元漁師の船強盗・南郷力丸

[裏切り者]
駄右衛門の手下・狼の悪次郎

otthmb.gif捕り手20〜30人

[裏切り者(極楽寺山門の場面)]
駄右衛門の手下・岩渕の三次(*実は青砥の部下、川越三郎という設定もある)

駄右衛門の手下・関戸の吾助(*実は青砥の部下、大須賀五郎という設定もある)

[滑川土橋の場面]
aotothum.gif青砥藤綱

その家臣・伊皿子七郎

同家臣・木下川八郎



[あらすじ]


[極楽寺立腹の場]

 稲瀬川から(極楽寺切通しを通って)極楽寺へ逃げ延びた五人男。捕り手達から逃れるために、弁天小僧は極楽寺の大屋根ヘと逃げ込む。途中、弁天小僧は「胡蝶の香合」を巡って、裏切り者の悪次郎と対決し、殺してしまう。実は五人男を裏切って、通報していたのは悪次郎だったのだ!香合は格闘の末に、川の中に落ちてしまった。

 すでに大屋根には大勢の捕り手達が登ってきて、必死に追い払う菊之助であったが、とうとう覚悟して切腹自殺をして壮絶な最後を遂げる。
(そこで場面が切り替わり、弁天小僧のいる極楽寺の屋根がひっくり返り、下から極楽寺山門がせり上がって、駄右衛門と青砥らが登場する「がんどう返し」が見もの。)

[極楽寺山門]

 舞台は変わって、駄右衛門は極楽寺の山門にいた。そこで手下の三次と吾助から、弁天小僧は極楽寺の大屋根で切腹して果てた、という話を聞く。しかし、ここへ来て二人は駄右衛門を裏切り、捕まえようとする。*実は彼らは青砥の部下で、今まで正体を隠していたのだ。そんな彼らをたやすく駄右衛門は蹴散らしてしまう。

[滑川土橋]

 駄右衛門が山門の二階の欄干に足をかけ、キッと下を見下ろすと、そこには土橋の上に松明をかざす青砥藤綱(とその家臣)がいた。山門の下を流れる滑川で、川に落ちた十文銭を藤綱が探させていたのだが、極楽寺の大屋根での格闘で弁天小僧が落とした「胡蝶の香合」を、たまたま拾い上げた。藤綱は駄右衛門に、香合は(もともとの持ち主である)信田家に返すと約束する。

 南郷をはじめ、手下の者は皆、捕まってしまった。いよいよ捕まるのも時間の問題で、自らお縄になる覚悟をした駄右衛門であったが、藤綱は「窮鳥懐に入る時は、猟師もこれを採らず」という諺をたとえに、先君(=信田家のことか?)の法要を理由に、駄右衛門をあえて見逃すことにする。駄右衛門は後日、藤綱と再会することを誓い、その場を去るところで幕はおりる。

<終わり>
_________________

※『季刊雑誌 歌舞伎第三号』松竹株式会社(昭和44年1月)の設定では、

<極楽寺山門の場>
 yokurou.gif浜松屋の番頭・与九郎は、古道具屋の主人と「胡蝶の香合」を巡って、「売る・売らない」の押し問答の末、古道具屋の主人を殺してしまう。香合を盗み、逃げようとする与九郎を、木陰から見ていた忠信が捕まえ、香合を巻き上げようとする。しかし、はずみで落ちた香合を悪次郎が奪い去る。忠信からそのことを聞いた弁天小僧は、悪次郎を追いかける。

 追手もジリジリと迫り、稲瀬川から(極楽寺切通しを通って)極楽寺へと逃げ延びる五人男。-以下、[極楽寺立腹の場]-[極楽寺山門]へ続く。

注)ただしこの時代に上演された芝居の場合、手下の三次と吾助の2人は「単なる悪党」である。

<滑川土橋>

 駄右衛門が山門の二階の欄干に足をかけ、キッと下を見下ろすと、そこには土橋の上に松明をかざす青砥藤綱(とその家臣)がいた。山門の下を流れる滑川で、川に落ちた十文銭を藤綱が探させていたら、たまたま「胡蝶の香合」を拾い上げた。
 南郷をはじめ、手下の者は皆、捕まってしまった。いよいよ駄右衛門も捕まるのも時間の問題で、自らお縄になる覚悟を告げたが、藤綱と両者睨み合いの対決をするところで幕はおりる。<終わり>

[参考文献]

p0404.jpg
平成16年4月歌舞伎座パンフレット(2004年4月)

kabuki3.jpg
『季刊雑誌 歌舞伎第三号』松竹株式会社(昭和44年1月)

[考察]


 つい最近、上演された方は全体的に「おだやか」で「優等生」的な内容ですが、昔(37年前)のは、かなり物騒なストーリー展開ですね。逆に言えば、昔は「芝居の中の暴力や殺人」は「フィクション」として理解されていたけど、最近では「現実」と「フィクション」との区別のつかない人・両者の違いを理解しようともしない人が増加している、ということなんでしょう。

 それと本当に「つまらない理由」で、カンタンに犯罪や殺人が起きてしまう物騒なご時世のせいか、「犯罪のヒント」とならないように、極力、暴力や殺人の部分を「あえて省略している」んでしょうね。
posted by fuji_nishi. at 00:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | あらすじ
この記事へのコメント
悪次郎??
初めて聞きました。
そんなヤツがいたのですね。

ところで、
おもしろいもの見つけたので、
fuji-nishiさんにも
報告しようと思い、
我がBlogの方に写真をアップしておきます。

あ、ご存じかもしれませんが…。
Posted by HT at 2006年02月12日 23:27
そうなんですよ〜HTさん。芝居を見てる時は私も「彼」の存在にまったく気がつかなくて、資料やパンフを見て、やっと気づいたワケです。

それから、さっそくブログ拝見しましたが、そういう商品を売っていたとは知りませんでした。こっちでも売っているのかな?

素敵な画像と書き込みありがとうございました。
Posted by fuji_nishi. at 2006年02月13日 09:54
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