2005年12月16日

勢揃い・ツラネ4

「勢揃い」

(忠信利平に続いて)

akaju_thum.gif「又その次に連なるは、以前は武家の中小姓、故主の為に切取1 も、鈍き刃の腰越2 も砥上ケ原3 に身の錆を磨ぎ直しても、抜かねる盗み心の4 、柳の都谷七郷5 、花水橋6 の切取から今牛若7 と名も高く、忍ぶ姿も人の目に月影ケ谷8 神輿ケ嶽9 、今日ぞ命の明け方に消ゆる間近き星月夜10 其名も赤星十三郎」

現代語訳はコチラ



[脚注]


1・きりとり・切腹かと思いきや、おそらくpiropyonさんのご指摘どおり「切取り強盗」の略。

2・こしごえ・現在の鎌倉市腰越。古くからある漁師町で、江の島や竜口寺にも近い。満福寺がある。

3・とがみがはら・現在の江ノ電の石上駅付近。イトーヨーカドーの近く(めちゃくちゃローカルネタですみません!)にある砥上公園のあたりか?

togamip.jpg

<参考サイト>
藤沢市内の文化財マップ

Yahoo!地図

 江ノ島弁財天への参道である江ノ島道に沿った細長い集落のこと。砥上は土甘郷(とかみごう)が、砥原という広い荒れ地の呼名となり、 後にそこに出来た集落名になったともいわれている。

「身の錆をとぎ直す」と語呂合わせ。

<関連時期>
砥上ヶ原とは結局どの辺なのか?

砥上ヶ原その2

皇大神宮(土甘郷とかみごう神社)

4・『ゴレンジャー』の「ミドレンジャー」のモデルとなったと思われる箇所。赤星のモデルといわれている白井権八が登場する歌舞伎『江戸名所緑曾我(緑曾我)』に由来か?

5・やつしちごう・山に囲まれた地形の鎌倉には、七つの谷(やつ)がある。

鎌倉谷七郷とは「小坂(おさか・鎌倉市小袋谷周辺の旧地名・JR横須賀線の大船駅と北鎌倉駅の中間にある)・小林(現在の鶴岡八幡宮のある旧地名・小林クに由来か?)・葉山(現・三浦郡葉山町)・津村(鎌倉市津・腰越〜西鎌倉近辺の地名)・村岡(現・藤沢市村岡)・長尾(現・横浜市栄区長尾台近辺)・矢部(現・横浜市戸塚区矢部町近辺)」の事。

「谷間の七つの郷」=「鎌倉中」。

6・はなみずばし・神奈川県平塚市と大磯町の間を流れる花水川に掛かる橋。実は隅田川に掛かる吾妻橋のこと。

7・いまうしわか・義経の幼名が「牛若丸」だったことから「現代版・義経」。女のように美しく、身軽な美少年のこと。

8・つきかげがやつ・現在の鎌倉市極楽寺、江ノ電沿線の極楽寺駅と稲村ヶ崎駅の間の、江ノ電の整備工場の近くの踏み切りを渡ったところらしい。

どうやら阿仏邸旧蹟は存在するようです。

参照元:e-ざ鎌倉・ITタウン/鎌倉史跡碑事典より

「月影地蔵」と「おばトン」の場所は現在の鎌倉市極楽寺、稲小の先(体育館の方)あたり。今でこそ整備されているが、昔はこのへんに「おばけトンネル(通称おばトン)」があり、真っ暗でコウモリも飛び交っているような地域であった。

<注意>単なる「普通の住宅地」なので、見なれない人があんまりウロウロしていると、「不審者」に間違われるかもしれません。

9・みこしがたけ・一説には現在の鎌倉市長谷の大仏から甘縄神明社にかけての裏山周辺と伝えられる。

10・ほしづきよ・月のない星空と、極楽寺切通しの先・坂ノ下にある星月夜の井戸とをかけている。

和歌や俳句などの世界では「星月夜」は「鎌倉(山)」の枕詞、秋の季語だそうです。

※この演目にも登場する「御輿ヶ嶽」や「月影ヶ谷」、「砥上ケ原」などの地名は、「住所番地」の「正式な地名」の意味ではなく、昔から伝わるその場所(=集落)を指す「通称名」みたいなものです。

[参考文献]


kabuki3.jpg
『季刊雑誌 歌舞伎第三号』松竹株式会社(昭和44年1月)





kmkrmn.jpg『わたしの鎌倉物語』リーブ企画出版株式会社(1999年)

『かまくら子ども風土記 全4冊』(鎌倉市教育委員会発行/鎌倉市教育研究所編集/平成12年1月31日発行)
posted by fuji_nishi. at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 赤星十三郎
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