2005年12月20日

勢揃い・ツラネ5

「勢揃い」

(赤星十三郎に続いて)

nan_thum.gifさてどんじりに控えしは、汐風荒き小ゆるぎ1 の、磯馴2 の松の曲がりなり、人となったる浜育ち、仁義の道も白川の夜船へ乗込む船盗人、波にきらめく稲妻の白刃に脅す人殺し、背負って立たれぬ罪科は、其身に重き虎ヶ石3 、悪事千里4 と云うからはどうで終(しま)いは木の空5 と、覚悟は予(かね)て鴫立沢6 、しかし哀れは身に知ら、念仏嫌えな南郷力丸」

現代語訳はコチラ


[脚注]


1・こゆるぎ・「ゆるやかな波の(海岸)」の意味。神奈川県中郡大磯町から国府津(こうづ)にかけての海岸、「こゆるぎ(小淘綾)の浜」か?鎌倉市腰越にも小動岬がある。

2・そなれ・磯風(海風)になびき、地面から斜めに生えた状態。

3・とらがいし・供養塔の一種で、曽我十郎祐成の愛人・大磯の虎女が全国に建てたと伝えられている。

4・「悪事千里を走る」…悪いことをすると、その評判はあっという間に広がってしまうこと。

5・「どうせ最後は磔(はりつけ)の刑になってしまう」

6・しぎたつざわ・現在の神奈川県大磯町の西端にある。西行の和歌で有名。
 同名の植物に、カエデの一種でイロハモミジの仲間の「鴫立沢」と、日本椿の一種で、「鴫立沢」という名前の白い椿があり、「最期は潔く散ろう」という意味もあるのかもしれないし、諺の「立つ鳥後を濁さず」ともかけているのかもしれない。

参考:椿 鴫立沢 google画像検索

※セリフの「ぬ」が強調されているのは、文字化け予防のため。

[参考文献]


kabuki3.jpg
『季刊雑誌 歌舞伎第三号』松竹株式会社(昭和44年1月)

9501p.jpg
平成7年1月歌舞伎座パンフレット『松竹百年 寿 初春大歌舞伎』
posted by fuji_nishi. at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 南郷力丸
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